仕事柄、Vintageを触らせて頂くことも有るのですが、今回は中々緊張しました…

レリックには出せないこの風格!(レリックって正直微妙なモノ多いですよね…。)
音が出ないところがあり、電装系も怪しいので修理調整ご依頼いただきました。

ラッカーが軟化して塗装面として良い状態とはいえませんので、使うポリッシュ類やウエス、使用方法が限られます。
雰囲気を損なわない様、可能な限りキレイにしてあげたいと思います。

ついでにハードウェア類も錆び落とし。
やり過ぎは雰囲気も損ねるので、機能面が問題ない位で程々に…

電装系は交換歴も多く、オリジナル度は高くありませんが、極力交換しない様クリーニング。

残念ながらリアマイクが断線しかかっており、一部オリジナルパーツでもないことからまとめて交換。
ネックに年代合わせて、最近??出たFenderのPure Vintage ’65 Setへ。(カバーはオリジナルを使用)
Volポットもオリジナルでなく、洗浄してもダメだったので交換しています。

メインのナット交換に入ります。
慎重に外して、溝をキレイにします。

ナット溝が現在のモデルはフラットなのが主流ですが、この辺りはナット底にもRがついてます。
この底のRに合わせる作業が入るだけでも、難易度が少し上がります。(個人的に笑)

その後、溝感覚を決めて成型へ。
昔専門学校の先生から「ナット交換はリペアマンの名刺みたいなもんや」と教わりました。
確かに切って磨いての基本がここに詰まっていますし、成型のセンスも問われます。
常にカッコいいナットを目指して精進し続けます。

正直フレット減りも激しく、塗装面の状態や交換パーツ等から、価値的な意味合いでは劣ると思います。
それでも楽器の価値は金額だけでは無いと思いますし、全ポジションちゃんと音が出て使える状態になりました。
こういう貴重な楽器の調整作業に携われたことを嬉しく思います。
是非、これからの長い時間を楽しんで弾いていただければと存じます。

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皆様の素敵な楽しい音楽ライフのお手伝いが出来ればと思います。